Clinico-pathological Studies on Para-aortic Lymph Node Metastasis and Post-operative Quality of Life in Gastric Cancer Patients.

No.16郭清の功罪を転移例の予後と術後のQOLの面から検討した. No.16郭清343例のうち79例 (23.0%) に転移を認めた.この率は深達度, 3型・4型および低分化型と相関し高率であった. P0, H0のNo.16転移例の5生率は18.8%であるが, このうちn3 (-) 群の予後は31.6%と良好であった. No.16郭清とQOLとの関係では, D2郭清に比べ出血量が有意に多く (p<0.01), 手術時間も長く (p<0.01), 術後1・2日目の浸出液量も有意に多かった. 血清アルブミン値は術後1・2週目で有意に低値を示したが, 3か月後には両群は同等の値となった. 体重ではNo.16郭清群の減少率が大きいものの有意差はなかった. 術後の食事摂取ではD2群よりやや不良であり, 仕事への復帰に時間を要する例を認めた. 術後合併症は両群で大きな差を認めず, 手術関連死は4例であったが最近5年間では認めていない.以上より, 郭清の適応とリスク判定を厳密に行えばメリットのほうが大きいと考える.