Attitude Estimation of Flight Vehicles Using Multiple Sensors

This paper considers an attitude estimation of flight vehicles using multiple sensors, e.g., a magnetometer and an accelerometer. Two types of estimation algorithms, the least-squares estimation and the analytic solution, are presented. Then, the stochastic error bound is evaluated by using the Cramer-Rao’s lower bound. The effectiveness of the proposed methods is evaluated by numerical simulations. 記 号 I:慣性座標系 B:機体座標系 m̂I:正規化磁気ベクトル(I 系表現) m̂B:正規化磁気ベクトル(B 系表現) ĝI:正規化加速度ベクトル(I 系表現) ĝB:正規化加速度ベクトル(B 系表現) qIB:B系の I 系に対する姿勢を表すEulerパラメータ V (qIB):qIB のベクトル部 S(qIB):qIB のスカラ部 ∗:四元数の積 qIB:qIB の逆元 (q † IB ∗ qIB = qIB ∗ qIB = 1) 1. は じ め に 本研究では複数のセンサによる飛行体の姿勢推定問題を 考察する.各センサはそれぞれ機体座標系における単位ベ クトルを出力し,慣性座標系における単位ベクトルと対比 させることにより姿勢を推定する.瞬時的なセンサ出力か ら姿勢を推定する場合,単一のセンサ出力から姿勢は決定 できないので,最低でも 2個のセンサを用いる必要がある. そこで筆者らによる先行研究1)と同様に磁気センサを考え, さらに加速度センサの情報が付加された状況を想定し,姿 勢推定問題を考察する.ただし原理的には太陽センサやス ターセンサなど他のセンサを考えても構わない. この姿勢推定問題に適用可能な解法として TRIAD や QUEST2~4) などがあげられる.TRIAD はセンサ 2 個の 出力から解析的に姿勢を決定する手法であり,最適化計算 を要しないことから計算量は少ないが,観測雑音の影響 を除去することは容易ではない.Shusterら2) は摂動下で TRIADを適用したときの推定誤差の共分散行列を評価し, Markley は TRIADに帰着されるような最適化問題を考 ∗1 C © 2013 日本航空宇宙学会 平成 24 年 5 月 5 日原稿受付 ∗2 名古屋大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻 慮しているが,観測雑音への対処方法は陽に考慮されてい ない.QUESTはWahba問題6)の解として姿勢を決定する 手法であり,最適化計算が固有値問題に帰着されることから 計算量は増大するが,多数のセンサ出力が得られる場合でも 適用可能でありセンサを増やすことにより観測雑音の影響 を低減することができる2, 3).Shuster4) は正規分布に従う 観測雑音を考え,重みを観測雑音の分散の逆数として選ぶと QUESTが最尤推定となることを指摘し,さらに摂動下で のFisher情報行列を計算して推定精度の評価指標を与えた. 本研究では 2通りの姿勢推定方法を提案する.一つはセ ンサを 2個に限定したときのWahba問題を解くことに相 当し,直接解と呼ぶ.最適化計算が行列計算に帰着される 点でQUESTと類似するが式展開は異なる.この推定方法 は観測雑音が入った場合でも適応可能である.もう一つは 解析的に姿勢を決定する方法であり,解析解と呼ぶ.単一 センサにより決定できない姿勢の不定性(ある回転軸まわ りの回転)1, 7) を決定するように計算を行う点で TRIADと は計算方法が異なる.こちらの推定方法は観測雑音が入っ た場合には直接的には適用できないが,最適化計算により 再定式化すると,2個の推定結果の重み付け和として推定 結果を補正することができる. さらに観測雑音が推定精度に与える影響を考察する.正 規分布に従う観測雑音を考え,推定精度の評価指標として Fisher情報行列を計算する.Shuster4)と同様に,直接解で の重みの選び方を観測雑音の分散の逆数として選ぶことに より最尤推定となることを示し,解析解での重み付け和に よる推定結果の補正においても適切に重みを選ぶことで同 様の結果が得られることを示す.そして数値計算により提案 手法の有効性を検証し,とくに推定誤差の分散と CramerRaoの下限と比較することにより提案手法が十分な推定精 度を持つことを示す. 2. 姿 勢 表 現 m̂ と m̂ を正規化磁気ベクトルの機体座標系表現と 慣性座標系表現として,m̂ は既知であり m̂ は測定可