A Difficult Case of Treatment for MRSA Infected Total Knee Arthroplasty

症例は86歳男性.変形性膝関節症に対しセメントレス人工膝関節置換術(以下TKA)を行い,術後11週目にMRSA感染に対する初回の掻爬・洗浄を行った.初回掻爬・洗浄後4カ月で感染再燃したため,2度目の掻爬・洗浄後に持続灌流を行った.しかし感染鎮静化せず,最終的にインプラント抜去しバンコマイシン含有セメントスペーサーを挿入した.大腿骨コンポーネント抜去時に大腿骨側前方および遠位に巨大な骨欠損を生じた.感染が鎮静化したインプラント抜去後4カ月で2期的再置換術を行った.骨欠損にはmetal augmentation,人工骨にて対処した.再置換術中,膝蓋腱が脛骨粗面付着部で断裂したため修復した.現在再置換術後1年5カ月であるが感染再燃は認めていない.伸展-5度,屈曲95度,extension lag 5度で1本杖歩行している.