Temperature Condition of Phase-Field Approach Model on the Super-heating/Cooling Non-equilibrium Gas-Liquid Interface

と変形でき,その第1項はφ をレベルセット関数とみなして法線流 s および曲率流cκ による界面進展・変 形を与え,第2および3項は界面厚さ分布を 0 f d φ + ∇ = に保つ働きを示す.これはレベルセット法の 界面安定化(再初期化)の定式としても有用で,相変化の無視できる平衡気液界面( 0 s = )では保存的定 式である第3項がレベルセット法の界面安定化(再初期化)の定式として適用される.フェーズフィール ド法の基礎となる自由エネルギー最小化原理を表すとき,一様場( 0 φ ∇ = , 0 κ = )の平衡状態が 2 0 f = ( 0 d > 定数のとき)で与えられる. f が二次関数ならばdouble wepポテンシャルモデルとなり, 0 f d φ + ∇ = 平衡解は多くの界面現象に見られるtanh分布を与える. 沸騰・凝縮を伴う非平衡気液界面の遷移過程を表すための物理量φ の条件として,1) 気相から液相への 相変化過程において一般的かつ単調(できれば線形的)変化が仮想できる,2) マクロスケールと分子スケ ールに共通な統計量として計量可能である,を考慮して比エンタルピーh を採用する.すなわち,液相 l h に 対して気相 g l L h h h = + ( L h :比潜熱)であり,平衡気液界面(等温,等圧)では 0 l g h h h ≤ ≤ で単調変化 するものと仮定すると 2 f は化学ポテンシャルを意味し,平衡界面の遠方両相で同じ最小値をとる.相変化 を伴う非平衡界面では遠方両相からの熱フラックスの出入りが潜熱に釣り合うため,それを維持する温度勾 配を必要とする.比エンタルピーは各相において平衡温度からの温度差により 0 h h C T = + ∆ と修正され, 式(1)の拡散項には温度勾配による熱フラックスが加算される.よって,両相が過加熱(沸騰)/過冷却(凝 縮)となる場で等圧が仮定されるならば,界面で平衡温度に近づく解を与える.これはナノスケールとなる 気液界面厚さに温度極小(極大)をもつ分布を生じることを意味しており,沸騰・凝縮界面の物理特性をモ デル化する際に考慮すべき効果をもたらす可能性がある.