Effects of Hydrophobic Wood Flour on Mixing Properties of Compound-Type Wood Plastic Composites

1 緒 言 木材・プラスチック複合材料(混練型WPC : Compoundtype Wood Plastic Composite)は粉末状の木質材料と熱 可塑性樹脂を混練して成形した材料である.それらは, 木材の質感を持ちながらも,樹脂並みの変形による高い 成形性を有するので,デッキ材や内装材などを始めとし て更に幅広い用途へと需要が増加している.この材料は, 親水性の木粉と疎水性の樹脂を原料とするため,得られ る製品の性能付与・維持にはそれらの親和性を向上させ ることが必要不可欠である.その一般的な改善策として, 樹脂の一部を親水化した相溶化剤を添加して,木粉と樹 脂との親和性を高める方法が用いられている.1)しかしな がら,この方法では木粉内部において親水性の部分が多 く残存するため,成形体の耐水性改善は不十分である. これらの背景から,木粉-樹脂界面の接着性向上なら びに成形体の耐水性向上のために,原料木粉自体を疎水 化する研究も行われてきた.2)~ 6)そして,木粉の疎水化処 理により成形体の耐水性が改善されること,2)~ 4)繊維と樹 脂の界面せん断強度が大きく向上すること,5)成形体のヤ ング率や強度性能が改善され,さらに,樹脂への木粉の 分散状態も優れていること 6)などが報告されている.一 方,成形体の力学的特性が低下するという報告もいくつ かなされている.2), 3) このように報告内容が異なる原因は,用いられた樹脂 や木粉の種類などの原材料の違いのみでなく,混練・成 形条件の差異による影響も考えられる.つまり,混練型 WPCを繊維分散型の複合材料と位置づけると,その物 性は,繊維ならびにマトリックスである樹脂それぞれの 物性のみではなく,繊維の分散状態や両者の界面状態の 影響を受ける.そして,それらの分散状態や界面状態は, 混練型WPCの混練特性に及ぼす木粉の疎水化の影響 関 雅 子 杉 元 宏 行 三 木 恒 久 金 山 公 三 古 田 裕 三 ● ● ● ● Effects of Hydrophobic Wood Flour on Mixing Properties of Compound-Type Wood Plastic Composites