A CASE OF ARTERIOVENOUS MALFORMATION OF THE JEJUNUM

症例は83歳,女性.黒色便と動悸を主訴に来院され,貧血を認め精査加療のため入院となった.上部・下部消化管を精査したが原因不明で,腹部血管造影検査を施行した.上腸間膜動脈造影で,第5空腸動脈枝末梢に異常な脈管濃染像を認め,動脈相早期からの静脈還流と静脈相後期までの造影剤の停滞の所見より,空腸の動静脈奇形と診断した.微小病変のため,術中同定が困難と考え,マーキングのためのマイクロコイルを挿入した.病変は肉眼的に確認できなかったが,コイルを透視下に確認し, 10cmの小腸部分切除を施行した.微小な消化管動静脈奇形に対しては,術中の確実な局在診断のために,マイクロコイル留置は有用と考えられた.