Pyrolysis of Glass Fiber Reinforced Plastic Using Steam Stream.

FRP材の熱分解を大気圧下で水蒸気を用いて行うと, 水蒸気の存在によって無水フタル酸結晶や炭化物の分解炉壁への付着が少なく, 分解物回収が容易になった. 水蒸気を用いるFRP材の熱分解は500℃では5分以内で完了し, その主要な熱分解生成物はフタル酸とスチレンであった. 350℃では, 500℃の場合よりも分解油の生成量が6%ほど少なく, 熱分解が完了しなかった. 水蒸気はFRPのポリスチレン成分の熱分解反応には直接関与しなかったが, ポリエステル成分の熱分解では窒素ガスでは無水フタル酸が生成したのに対し, 水蒸気ではフタル酸が生成した. この熱分解法で発生するガスの約70%は二酸化炭素であった.