THE FIRST CASE REPORT OF SCHISTOSOMIASIS MANSONI IN JAPAN

概 要 本邦で最初 と思われ るマン ソン住血吸虫症の1例 を報告す る,症 例 は34才 の男性.昭 和51年12 月エチオ ピアへ 出張,ム イ川 にて頻回 に水浴を行なつ ていた.昭 和52年4月 より38°C の弛張熱 と下痢 が約1ヵ 月続 き,原 地病院でマン ソン住血吸虫症 と診断 されたが無治療 で帰 国 し,当 内科に入院 し た.入 院時現症 は両鼡 径部 に 小指頭大 の リンパ節 を触れ る 以外異常所 見はな く,検 便 にて虫卵は認 めなかつた.貧 血や好 酸球増加 も認め られなかつ た.し か し,直 腸生検 にて多数 の虫卵が認め られ た.虫 卵は卵円形 で側棘を有 し,大 ぎさは約140×60μmで マ ンソン住血 吸虫卵 と確認 した.治 療は niridazole l gを5β 間投与 したが,副 作用 として,頭 痛,食 欲不振,悪 心 が認 められた.交 通網の 発 達に伴 ないマ ンソン住血吸虫症は本邦で も増加 す る可能性があ ると思われ る.