Population dynamics of sessile bivalves Mytilus galloprovincialis and X/ENostrobus securis in hyper eutrophicated bay, Japan

北九州市洞海湾におけるムラサキイガイおよびコウロエンカワヒバリガイの個体群動態と水質環境等との関係について調査を行った。ムラサキイガイ現存量は存酸素濃度と有意な正の相関を示し, コウロエンカワヒバリガイは, 付着生物の出現種数との間に有意ではないが, 最も高い負の相関(r2=0.48)が得られた。すなわち, 洞海湾奥部に進入したムラサキイガイは夏期の貧酸素化によって死滅していることが推察され, 湾口部に存在する個体群が母集団として機能し, 湾奥側の個体群を維持していることが解った。一方, コウロエンカワヒバリガイは, 種間の競争には弱く, 環境悪化による種間の競争が緩和された状態で急激に増殖する種であると推察された。