A PROPOSAL OF “CONCURRENT CONVERGENCE” AS A PROCESSING TECHNIQUE FOR ADDITIONAL DATA IN THE DOMINANT ALTERNATIVES METHOD

木下と中西により提唱された支配代替案法は, 評価項目の重要度が特定の代替案によって支配される場合に対処することを目的として開発された新しいタイプのAHP (Analytic Hierarchy Process) である.意識調査を継続的に行う場合は, 後続調査で得られた追加データを何らかの方法で先行調査の結果に反映する必要がある. 本稿は, 支配代替案法の適用における追加データの処理手法「一斉法」を提案する.一斉法では, 複数の支配代替案がある場合に, それぞれの支配代替案に関して導出された評価項目値が互いに一致するまで収束計算を行う. この収束値を総合評価に用いると, いずれの代替案に関する評価項目値についても, 代替案の総合評価値が同じとなり, 支配代替案法の重要な性質を保持することができる.