Stability of Hazardous Heavy Metals in Landfilled Fly Ash Immobilized by Chemicals

埋立処分された薬剤処理飛灰の有害重金属不溶化に対する安定性を確認するため, 飛灰とともに焼却灰や不燃性破砕ごみを充填した嫌気性埋立構造の大型埋立模型槽を用い, 約2年間にわたり処理飛灰の安定性を検討した。浸出水に由来するPb, Cdの流出量は, 埋立廃棄物が含有していたPb, Cdの総量の各々0.001%, 0.2%以下と極めて微量であった。また, 埋立られていた薬剤処理飛灰の溶出試験によって, 薬剤処理飛灰が安定して有害重金属を捕捉していることを確認した。埋立廃棄物からの有害重金属の溶出は, 浸透水のpHに大きく依存していた。浸出水水質の経時的な変化は, 雨の降り方に大きく影響を受け, 特に強い降雨や降水量が多かったときの溶解性成分の洗い出しに伴う水質変化は顕著であった。埋立槽底部の浸出水のpHは滞水している間に低下し, 浸出水中の有害重金属濃度は浸透水に比べて高くなる傾向を示した。