EUS-guided drainage of localized malignant ascites with Pancreatic cancer: A case report

症 例 患者:60歳代,男性. 臨床経過:X年 5月に膵尾部癌,多発肝転移,腹膜 播種と診断され, 化学療法が導入された(Fig. 1 (a)). また,癌性腹水に対して,約 2週毎に経皮ドレナージが 行われた.X年 6月より食思不振が出現した.CTで原 発・転移巣ともに縮小していたが,新たに膵前面に 12 cm大の限局性の液体貯留が出現し,胃を著明に圧排 していた(Fig. 1(b)).当初,化学療法による腫瘍の 急激な縮小から膵管破綻,膵液漏をきたし網嚢に膵液 が貯留し胃を圧排したと考え,超音波内視鏡下ドレ ナージを施行した.EUSガイド下に 19 G針で穿刺し, 通電ダイレーター・バルーンを用いて拡張し,プラス チックステント(7 Fr,4 cm,両端 pigtail type)を 2 本留置した(Fig. 2).内容液中の膵酵素値は低く膵液 漏は否定的で,異型細胞を認め,腫瘍マーカー高値 (CEA:1249 ng/mL,CA19-9:377200 U/mL)であり 癌性腹水と診断した.ドレナージ直後から自覚症状は 改善し,2か月後の CTで液体貯留は著明に縮小した (Fig. 3).膵癌診断 9ヵ月後に原病死するまで,再貯留 なく経過した.