FEM for Researchers and Engineers. Application of CFD to Engineering Problems using FLOTRAN.

流れの数値解法であるCFDは, 近年ますますその適用範囲を広げつつあり, 反応・燃焼・多相流れ等これまで取り組まれていた分野以外にも, 磁性流体, 流体音響問題とその適用範囲を拡大させ, 成果を挙げている.しかしその一方で, 本稿で指摘したような点が問題となってCFDの導入に失敗する事例も見受けられる.支配方程式の強い非線形性と, 補助的に使用される関係式が必ずしも現象の普遍的モデルとなってはいない事実が, 純理論的な問題の解決を困難にしている.これらの数理モデルに依存する問題の解決は, 今後の研究の進展が期待される所である.有限要素モデルの作成, ソルバーパラメータの決定, 計算結果の評価の各段階で, 実験・計測から得られる情報を適当に取り込むことが, 安定で効率良く流れの数値計算を行う上で, 今後とも重要と考えられる.