Effects of Prior Voluntary Recycling on Social Acceptance of Mandatory Resource Separation System

本研究は, 新しい分別収集制度に対する社会的受容を, 類似した自発的システムの有った地域と無かった地域とを比較することで, 制度評価の規定因としての自発的システムの効果を検討した。まず制度評価を, 効果の評価である社会的便益と個人的コストと, 公正さの評価である手続きの公正さと結果の公正さに分類した。名古屋市の自発的システム有地域と無地域とで住民の制度に対する評価を比較するため, 社会調査を行った。結果は以下の通りである。1) 不公平感以外はシステム有地域で高く評価され, 新制度を肯定的に評価していた。2) 自発的システム有地域はよりリサイクル行動に従事し, 周囲の期待をより強く感じ, 説明会により参加していた。3) コミットメントと周囲からの期待, 説明会参加は効果と公正さの評価に肯定的な効果をもたらした。最後に新制度の導入に既存システムを生かすことで効果的な定着が図れる可能性を示唆した。