Selectivity and Diffusion Coefficients of Ions in Ion-Exchange Membranes

イオン交換膜内におけるイオンの選択特性を実験的に研究し, まず膜とイオン間の親和性を明らかにした。次に1価-1価イオン間及び2価-2価イオン間の選択係数Kに関し, [KBA・ (KCA) -1] 各種イオン交換膜・ [KBA・ (KCA) -1] -1ネオセプタ膜の値は, 約1の一定値を取ることが解った。さらに1価-2価イオン間の分離係数αに関し, (αBA・Q-1) 各種イオン交換膜・ (αBA・Q-1) -1ネオセプタ膜の値は, 約0.34の一定値を取ることが明らかになった。Fickの式と電気的中性の条件を満足する物質収支式を基礎式とし, 原料イオンと推進イオンの価数が等しい場合の新しいドナン透析の関係式を提出した。この式をドナン透析の実測値にカーブ・フィティングし, イオン交換膜内における各種イオンの拡散係数の値を明らかにした。水溶液中の拡散係数とイオン交換膜内の拡散係数の比は, 1価イオンのH+イオンの場合200, K+イオンとNa+イオンの場合共に70の値を取り, 2価イオンの場合175の一定値を取ることが判明した。さらに各種イオン交換膜内の拡散係数を明らかにした。ドナン透析の流束は, 非対イオンの種類により影響されないことが解った。ドナン透析に使用する膜は, 推進イオンと同種類のイオンで前処理をすると良いという知見を得た。