A Design Method for PID Type Decoupled Control Systems Based upon Partial Knowledge about Controlled Processes

制御対象の動特性を完全 に正確 に測定す ることは, 特 にプ ロセス制御の分野では きわめて難 しい. したが って, 設計の 目的にとって必要最少限 の知 識で設計で きる設計 法を開発することが望まれ る. この観点か ら 筆者 は先 に一般的な設計原理を明 らか に し, I-PD方 式非干渉 制御系などの設計公式を導いた1)~3). ここで導 くPID方 式非干渉制 御系の設計公式 は, す で に上記I-PD方 式 につ いて展開 した基本 的手法を適 用す るにす ぎないが, 現在PID方 式 のほうが多 く使 われてい るので, その実用に供す るた めに ここに設計 例 と共 に示 す. しなが って, ここでは設計公式 に関連 す ることのみ記述 し, 基本 的な考 え方 はI-PD方 式 に つ いて の所論3)にゆず る. ここで扱 う制御対象はp入 力p出 力で, その伝 達関 数行列 はB(s)/a(s)(注1)と し, 平衡状態 で入 力 の平 衡 値 と出力 の平衡値 との間に1対1の 対応 関係が成 立す るよう, その直流ゲ イン行列. B0/a0が 正則, したが っ て, |B0|≠0, a0≠0と する. 設計すべ き制御系は, つ ぎの要請条件 を満たす非干 渉 制御系であ る. 非干渉化 された各部分制御系 につ いて (C1) 定 常位置偏差 がゼ ロになること, (C2) 適切な減衰特性を もつ こと, (C3) (C1) お よび (C2) の条件を満た した うえで, 立 上 り時 間が最小 であ ること, そ して部分 制御系相互 の間 の干渉 につ いて (C4) 低 周波領域か らで きるだ け高周波領域 まで非 干 渉化 が達成 され ること, で ある.