A case report of leiomyoma of the mesentery.

I.は じめ に 腸 間膜 に発 生す る腫 瘤 は まれで あ るが1),そ の 中 で も原 発性 腫瘤 は きわ めて少 な い.わ れわ れ は,今 回 小 腸間 膜 に発生 した 平滑 筋腫 の1例 を経験 した の で,若 干 の文献 的考 察 を加 えて報 告す る. II.症 例 患 者:60歳,男 性. 主 訴:食 後 腹部 膨満 感。 家 族歴:妹 が乳 癌,他 に特記 すべ き ことな し. 既 往歴:昭 和35年,胆 石 症 にて右 肋 弓下開 腹 で胆摘 術 を受 け る.同 年,イ レ ウス にて正 中切 開で 開腹 術 を 施行 され,昭 和37年,虫 垂 炎 にて虫 垂切 除術 を うけ て い る. 現 病歴:昭 和60年5月 ごろ よ り食 後 に強度 の腹 部膨 満感 が あ り,同 時 に 吐 き気 と上 腹部 痛 があ り,近 医 で 外来 加療 を うけ てい た.し か し症状 が 改善せ ず,当 院 を紹 介 され,本 年1月30日 に 当院外 来受 診 し,亜 イ レ ウスの診 断 の下 に精査 加療 の ため に入 院 とな る. 入 院 時所見:栄 養 良好,血 圧152/90mmHg,脈 拍80/ 分,整,貧 血,黄 疸 な し.胸 部 の聴 打診 で は,異 常所 見 は認 め られ な か った.腹 部 の理学 的所 見 としては, 下腹 部 に軽度 の膨 隆 と左下 腹部 圧痛 を認 め たが,腹 膜 刺激 症状 は認 め なか った.腸 雑 音 はや や亢進 してい た が,金 属 音 は聴取 され なか った.腹 部 に手術 瘢痕 が 認 め られ た(図1). 入院 時検査 所見:RBC467×104/mm3,Hb14.8g/ dl,Ht46%,WBC9,100/mm3,T-P 6.3g/dl,Alb 3.4g/dl,T-Bil 0.7mg/dl,GOT 20U,GPT 17U,BUN 20mg/dl,Cr 0.6mg/dl Na 141mEq/l,K 4.9mEq/ 図1 腹部理学所見