Effects of iodine on growth and iodine absorption of hydroponically grown tomato and spinach

I−およびIO3−を添加した培養液を用いた養液栽培で,トマトとホウレンソウを栽培し,ヨウ素が植物の生育に及ぼす影響および植物体中のヨウ素濃度を調査した.I−処理により,トマトでは養水分吸収量がわずかに低下したが,生育には有意な影響は見られなかった.ホウレンソウでは養水分吸収量が著しく低下し,葉数および生体重の低下が見られたことから,植物によってヨウ素の感受性が異なると考えられた.養液栽培においてヨウ素を殺菌剤として用いるためには,栽培植物の種類に対応した処理方法を検討する必要があると考えられた.植物体中のヨウ素濃度は,トマト,ホウレンソウともに葉身部で他の部位に比べて高くなっていたが,トマトでは果実中にもヨウ素が蓄積されていた.よって,ホウレンソウ,トマトともに適切な濃度のヨウ素処理を行うことにより,ヨウ素富化食品としての利用が可能であると考えられた.