Difference of physiological and psychological response of thermal environment by aging Human influence of the temperature and the air flow in the summer

夏期の居住環境における高齢者の生理的・心理的人体反応の特徴を明らかにし, 加齢の程度による人体反応への影響について検討することを目的として, 気温28℃および32℃の環境の人工気候室にて, 夏服着用・椅座安静状態の19~80歳の男女を60分間, 定速気流に曝露する実験を行った. 気温と気流速度の組み合わせは, 28℃では0.4m/s, 32℃では1.2m/sである. その結果, 高齢者群の平均皮膚温は各温熱環境下で中年, 青年群より0.2~0.8℃低く, 申告値は他の2群より“涼しい, 快適な”側であった. 高齢者群の気流による皮膚温低下は, 胸部では最も大きく, 下腿では最も小さく, 末梢部の血管収縮反応の衰えがうかがわれた. 高齢者においては若年者とは異なる人体反応がみられ, 加齢による衰えが観察された.