シリカ,アルミナ及びシリカ・アルミナのX線光電子分光測定と表面化学特性

シリカ,アルミナ,シリカ・アルミナの粉体ディスクを773~1773Kで大気中焼成し,それらの表面のXPS分析を行った.Si2p,Al2p及びO1sの束縛エネルギーはすべて表面組成に依存して連続的に変化した.同表面上の不純物ナトリウムも同様の挙動を示した.焼成温度が高いほどスペクトルの半値幅が小さくなった理由は結晶子径のサイズ効果に帰せられた.又,結晶化に伴って不純物元素の表面濃集,すなわち不純物の表面偏析が観測された.アルミナを例に,シリコンとナトリウムの表面偏析と固体酸性,塩基性及び触媒反応活性との間に見いだされた相関性を示す.