A Study on Thermal Control Effects for Room by Rooftop Planting on RC Building

屋上植栽による室内への熱環境調整効果は, 植栽を含めた屋根の断面構造に加えて, 建築の構造, 居住者の生活様式, その地域の気象条件などによっても大きく異なると考えられる。そこで, 本報では以下の2つの方法により, RC造建築に施された屋上植栽の室内に及ぼす熱環境調整効果を考察した。はじめに, 屋上植栽の施されたRC造建築について, 実際に居住者が生活している部屋を対象として, 屋根の断面温度・熱流分布を中心に夏から冬にかけて実測調査し, 屋上植栽の室内への熱環境調整効果を明らかにした。つぎに, 実測結果をもとに数値計算に必要な葉群層の熱的特性を明らかにするとともに, 屋上断面構造として植栽の有無, 盛土層の厚さ, 土壌の含水状態, 断熱材の有無等の種々の条件を設定して, 室内気温を夏季と冬季で一定とした場合の各々1ケ月間と, 居住者によって室温が変化する場合の夏季の1日について数値計算を行った。その結果得られた天井表面温度と室内気温との差を指標にして, 屋上植栽の室内熱環境調整効果について考察した。