Changes in the Composition of Gases Emitted from a Final Landfill Site

廃棄物埋立地では,発生するガス (埋立ガス) に含まれるメタンや二酸化炭素などの濃度や発生量が埋立廃棄物の安定化の判断材料になっている。しかし,焼却残渣主体の埋立地では層内保有水のpHがアルカリ性に偏る場合があり,酸性ガスである二酸化炭素が吸収され,メタンの割合が大きくなるなど,多量ガス成分だけで安定化の状況を判断することは困難である。本報では,埋立終了した産業廃棄物の管理型最終処分場において,脂肪族炭化水素 (NMHC:C2~C6) に焦点を当てて埋立ガスの組成を調査した。その結果,酸素供給量の少ない深層ほど,メタン濃度のNMHCの合計濃度に対する比は高く,炭素数4および5でイソ体の割合が小さかった。また,埋立後時間が経過した場所では,さらなる時間経過とともにNMHCが炭素数の少ない化合物へと移行するとともに,エタン濃度の炭素数2のNMHCの合計濃度に対する比が大きくなった。これらのことから,NMHCの炭素数の構成や異性体比は,埋立廃棄物の安定化指標となる可能性が示唆された。