[Multicentric Castleman's disease with reversible left ventricular diffuse hypokinesis].

は じめに Multicentric Castleman's disease(MCD)は 多様な臓器障害を来す リンパ増殖性疾患の1つ である.今 回我 々は,心 エ コー検査 にて拡張型 心筋症様のび まん性壁運動低下を示 し,ス テロ イ ド治療 によく反応 した稀 な症例を経験 したの で報告す る. 症 例 患者:50歳,男 性.主 訴:易 疲労感,腹 部膨 満感,夜 間咳嗽.既 往歴:16歳;左 中耳 炎手術, 38歳;肝 障害(輸 血歴 不 明).家 族歴:父;前 立腺癌,母;糖 尿病.現 病歴:1996年 末に2カ 月間で約10kgの 体 重減 少 を認 め,人 間 ドック を受診,貧 血 を指摘 され精査 ・加療 を受けた(詳 細 不 明).'97年4月 頃 か ら37度 の 微 熱 が 出 現 し,'98年1月 には全身倦怠感,掻 痒 感,労 作時 呼吸困難,下 腿浮腫 を伴 うようになった.3月 中旬 か ら夜 間咳嗽 が激 しくな り4月6日 近 医を 受診 した.利 尿薬等 にて咳嗽,浮 腫 は軽減 した が,血 液検査にて異常 を認めたため当院を紹介 され4月14日 入院.入 院 時現症:身 長171cm, 体重67.1kg.顔 面 は蒼 白,浮 腫状 で,両 側頸 部 に多発性 リンパ節腫脹 を認めた.右 季肋部 に肝 臓 を4横 指触知 した.下 腿には中等度の浮腫 を 認めた.検 査所 見:血 液検査 では白血球 は9,900 /μlと増加 す る も分画 には異常 は な く,赤 血球 256×104/μl,ヘ モ グロ ビ ン6.6g/dlの 正 球 性 低 色素性貧血 を認めた.血 小板は12.3万/μlで あっ