A case report of pseudosarcomatous carcinoma of the esophagus.

1.は じめ に 食道 偽 肉腫癌 は食 道 に原発 す る悪性腫 瘍 の なかで ポ リープ状 の外観 を呈 し,癌 と肉腫 様成 分 との両 者 の所 見 を伴 う比 較 的 まれ な腫 瘍 であ る1).今 回わ れわ れ は 49歳 の男 性で,食 道 に急 速 に増大 す る ポ リープ状 の腫 瘍 を認 め,食 道切 除術 を施 行 し,病 理 学 的診 断に て食 道偽 肉腫 癌 との診 断を 得た.こ こにその 臨床像 な らび に病 理学 的所 見 の詳細 を報 告 し,さ らにそ の肉腫様 成 分 につ いて若 干 の文献 的考 察 を加 え報告 す る. 2.症 例 患者:49歳,男 性,運 転手. 主訴:嚥 下 困難, 既往 歴:21歳 時,十 二指 腸 潰瘍 にて 胃切 除術(Billroth II法)を うけ た.ま た,40歳 時,慢 性 肝炎 に て入 院治療 を受 けた. 家族 歴:母 親 は 胃癌 で死亡 して い る, 現 病歴:昭 和62年3月 末 よ り嚥 下 困難 お よび胸 背部 痛 が出現 して きた.嚥 下困 難 が急速 に増 強す るた め4 月10日 近 医 を受診 し,X線 検査 お よび 内視鏡 検査 にて 食 道腫瘍 を指 摘 され,5月1日 手術 目的に て当院 に入 院 した. 入院 時現 症:身 長158cm,体 重46kg.上 復 部 に 胃切 除 術 のた めの手 術瘢 痕 を認 め るが,そ の他 に胸腹 部 に 異 常 は認 め なか った, 一 般 臨床 検 査:胸 部X線 検 査 で 両 側 上肺 野 に多 発