Inferior Bile Duct Cancer with Sarcomatous Change : A Case Report

症例は77歳の男性で, 褐色尿と皮膚掻痒感を主訴に近医を受診し, 閉塞性黄疸を指摘され紹介入院となった. 逆行性内視鏡的胆管膵管造影検査で下部胆管に不整な狭窄像を認め, 胆汁細胞診で腺癌が疑われた. 経内視鏡的胆道ステントによる減黄後, 幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を行った. 腫瘍は下部胆管にあり, 2.3×1.5cm大の結節浸潤型で, 病変の粘膜面近傍では腺癌の像を呈したが, 浸潤部では紡錘形細胞の錯綜配列 (いわゆる紡錘形細胞癌) と血管肉腫類似の構造が混在する像を呈し, 肉腫様変化を伴った下部胆管癌と診断した. 手術半年後のCTで多発肝転移を認め, 化学療法を行ったが, 術後約1年6か月癌で死亡された. 肝外胆管に発生した肉腫様変化を伴う腺癌あるいは紡錘形細胞癌の報告は今まで15例と少なく, 本例を含めた臨床病理組織学的特徴を報告する.