A colorimetric and geochemical study of the coloration factor of hyper-acid active crater lakes

本研究では,白濁したエメラルドグリーンを呈する日本の代表的な活動的強酸性火口湖である阿蘇山中岳の湯だまり,草津白根山の湯釜において,色彩測定,水質分析,浮遊物質(単体硫黄)の粒度分布測定を行い,それらの結果に基づいて呈色因子および呈色機構について考察した。火口湖水に浮遊する単体イオウの粒度分布は,青白色を呈する合成イオウコロイド溶液のそれと類似し,レイリー散乱(青色)とミー散乱(乳白色)に関与するイオウコロイドの存在を確認した。色彩計を用いた色の測定結果は,火口湖の呈色がイオウコロイドによる入射太陽光の散乱によるものだけではなく,溶存するFe2+の太陽光の吸収による呈色が合わさっていることを示した。