A study on bit-plane coding scheme in enhancement layer of MPEG-4 FGS
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A study on bit-plane coding scheme in enhancement layer of MPEG-4 FGS 松尾 賢治 Kenji MATSUO 高木 幸一 Koichi TAKAGI 小池 淳 Atsushi KOIKE 松本 修一 Syuichi MATSUMOTO 株式会社 KDDI 研究所 KDDI R&D Laboratories Inc. 1. はじめに MPEG-4のFGS(Fine Granularity Scalability)は,インターネットや無線 通信等の品質が保証されていない伝送路において,データが一部分欠 落した場合でも,受信したデータの量に比例した品質の動画像を提供 するための技術である.FGSの符号化データは,SNR-Scalability 技術と 同様に,基本と拡張の二階層から構成され,さらに拡張階層で bit-plane 符号化を用いることによって,ビット単位のスケーラビリティを実現する. しかし,FGS は階層化による分割損が大きく,符号化効率が非常に低い ため,基本および拡張の両階層にフレームバッファを備えることによっ て発生符号量を低減する PFGS(Progressive FGS)が提案されている. PFGS は高い符号化効率を実現する一方,伝送中にデータが一部欠 落した場合,復号時にドリフトエラーが発生し,以降の画像に伝播すると いう問題があった.本論文では,良品質の復号画像を提供する目的で, 受信したデータの量に従って基本および拡張階層のフレームバッファ を自動的に補間し,PFGS のドリフトエラーを低減する方法を提案する. 2. PFGS PFGS は拡張階層にもフレームバッファを 1 つ備えている点で FGS と 異なる.拡張階層のデータは原画像との差分画像を符号化することによ って作成される.このとき,FGS では品質の低い基本階層のフレームバ ッファとの差分を取るため,その差分は大きいが,PFGS では品質の高 い拡張階層のフレームバッファとの差分を取るため,その差分は小さく, 発生する符号量は減少する.また図 1 に示す PFGS 符号化器の拡張階 層のフレームバッファ E[t]は,拡張階層のデータ EnhData となる差分画 像の中から n ビットプレーン分をフィードバックし,更新する. E[t] ← E[t-1] + n bit-planes of EnhData (1) そのため,低レート伝送を行って,復号の際に受信した拡張階層データ のビットプレーン数 r(0≦r≦n)がフィードバック用のビットプレーン数 n に満たない場合,内部状態が符号化時と異なることになり,ドリフトエラ ーが発生して後段の復号処理まで伝播することになる. E[t] ← E[t-1] + r bit-planes of EnhData (2) 3. 提案復号法 式(2)のように,復号時の拡張階層のフレームバッファ E[t]は前時刻の 拡張階層のフレームバッファ E[t-1]のみから作成するのではなく,現時 刻の基本階層のフレームバッファ B[t]の両方を使用して,それぞれに重 み付け補間することによって,ドリフトエラーを低減する方法を提案する. 受信した拡張階層データのビットプレーン数を r(0≦r≦n)とすると, E[t] ← (E[t-1]+ r bit-planes of EnhData)・r/n + B[t]・(n-r)/n . (3) すなわち,受信した拡張階層データが多い場合は,ドリフトエラーが発 生する度合いが小さい E[t-1]に,また少ない場合はドリフトエラーが伝播 しないB[t]にウェイトを置き,E[t]を更新する.図2に提案復号器を示す. 4. 計算機シミュレーション 提案復号法の有効性を確かめるために,計算機シミュレーションを行 った.CIF サイズの stefan をテスト画像とし,GOV 構造は IPPP....で全 60 フレーム,基本階層の符号化レートは 256kbps (Q=30),拡張階層のバッ ファ更新用のビットプレーン数を 3 とした.バッファ間で補間を行う提案 復号法と,比較のために,単一階層の MPEG,PFGSおよび FGSの計4 方式について全フレーム平均の PSNR 特性を図3 に示す.2560kbps 以 上の高レートでは拡張階層の符号化データが必ず3ビットプレーン以上 得られるため,拡張階層のバッファを更新する際にはドリフトエラーが発 生せず,提案復号法はPFGSと全く同じ特性を示す.また,256kbpsでは 拡張階層のデータが全く得られず,ここでも PFGS の特性に等しくなる. 上記以外の中間レートでは,ドリフトエラーが発生する通常の PFGS より も常に良好な PSNR を示し,最大で 0.4dB 程度の改善が得られているこ とが確認できる.以上の結果から,提案復号方法によりドリフトエラーを 低減できることが確認できた.また,受信したデータの量に応じて自動 的に重み付け処理が行われ,有効に作用していることが確認できた.
[1] Feng Wu,et al. A framework for efficient progressive fine granularity scalable video coding , 2001, IEEE Trans. Circuits Syst. Video Technol..