Relationship between interaction in multivariable control system of a distillation column and characteristics of the column.

蒸留塔の両端製品組成制御に対して既に操作量の変更による非干渉制御系を提案しているが, 本報では, その制御系の有効性を理論的に明らかにした.制御ループ間の干渉の評価を, 定常ゲインのみならず, 高周波領域に対しても行った.そして提案している制御系が, 高周波領域に対しては, スペック等の蒸留塔ごとの特性に関わらず, 常に優れた干渉軽減効果を示すことを明らかにした.さらに, 低周波領域に対しても常にコンベンショナル・コントロールよりは制御ループ間の干渉を小さく抑えられることを示した.蒸留塔の設計問題についても考察した.段数を多くし, たき上げ蒸気量を減らす, いわゆる省エネルギー型の蒸留塔の設計を行えば, 両端製品組成制御ループ間の干渉が小さくなることが明らかになった.