Improvement of background imaging properties of flat-panel three-dimensional see-through display
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1. はじめに 立体シースルーディスプレイは,現実の風景にデジ タル情報を立体像として重畳表示できる.われわれは, 以前に,立体シースルーディスプレイをフラットパネ ル型で実現する方法を提案している[1].この方法では, 対称に配置された 3枚のレンズアレイと透過型フラッ トパネルディスプレイを用い,実風景の光線にインテ グラルイメージングによる立体像の光線を重ね合わせ て表示する.われわれは,さらに,この光学系に非対 称性を導入することで,背景の結像を実現する方法を 提案している[2].背景結像機能を用いると,近視や遠 視などの屈折異常をもつ人に,それぞれの人のピント が合う奥行き位置に背景を結像して見せることができ る. 本研究では,背景結像機能を有するフラットパネル 型立体シースルーディスプレイの結像特性を向上させ ることを目的として,非対称インテグラルイメージン グ光学系の改良,および光線追跡による光学系の最適 設計を行う. 2. 背景結像機能 背景結像機能を有するフラットパネル型立体シース ルーディスプレイの光学系を Fig. 1に示す.外側のレ ンズアレイの焦点距離は f,中央のレンズアレイは f /2 である.レンズアレイ上の各レンズが構成する要素光 学系が背景の等倍成立像を結像すると,レンズアレイ 全体で連続した背景の像が得られる.このとき,光学 系から物体面までの距離を l,光学系から像面までの 距離を l ́とすると,レンズアレイ間の距離は d1 = (3l l ́) f /2(l f),d2 = (3l ́l) f / 2(l ́f )となる. 以前の背景結像の実験では,特に近方を遠方に結像 する場合にぼけが大きいことが問題となっていた.そ こで,本研究では,Fig. 1 に示すように,光学系内に 開口を設置することで,軸外光線を減らし収差による 結像特性の劣化を抑えることを試みた.さらに,光学 設計ソフトを用いた光線追跡により,光学系を最適設 計した. 3. 光学系の最適設計 開口は入射側の2つのレンズアレイの間に設置する として,光学設計ソフト(ZEMAX)を用いて,光学 系を最適化した.レンズアレイは焦点距離 38.1 mm, レンズ径 4.0 mm の平凸レンズアレイとした.半分の 焦点距離をもつレンズアレイは,同一のレンズアレイ 2枚の凸面を対向して実現する. 観察者近方に置かれた物体を遠方に結像する場合を 考え,l = 140 mm,l ́ = 450 mmと設定した.開口は直 径 1.0 mmとした.スポットダイアグラムを Fig. 2に示 す.Fig. 2(a)は開口なしの場合,(b)は開口を導入した 場合であり,スポット径が小さくなっている. 4. 実験 結像特性の向上を実験で確認した.最適化前後,そ れぞれの構成の光学系で得られる背景の像を撮影して 比較を行った.レンズアレイには,矩形レンズアレイ (レンズサイズ 4 mm×3 mm,レンズ数 10×13)を用い た.実物体には,液晶ディスプレイに表示した文字 (TUAT)を用いた.Fig. 3に結果を示す.Fig. 3(a)は 最適化前の結果であり,文字がぼけていることがわか る.(b)は最適化後の場合であり,画像の明るさは低下 しているが文字がシャープになっていることがわかる. 5. まとめ 背景結像機能を有するフラットパネル型立体シース ルーディスプレイにおいて,開口アレイによる軸外光 線の抑制と,光学設計ソフトウェアを用いた光線追跡 による最適設計によって,背景の結像特性を改善する 方法を提案し,実験によって確かめた. 参考文献 [1] Y. Takaki, and Y. Yamaguchi, Opt. Lett. 40, 1873 (2015). [2] Y. Yamaguchi and Y. Takaki, “See-through Integral Imaging Display with Vision Enhancement Function,” 3D Image Acquisition and Display 2016.