FATIGUE BEHAVIOR OF INCLINED NON-LOAD-CARRYING FILLET WELDED JOINTS

実構造物の疲労照査で生じる問題の1つに, 作用応力範囲が溶接線に垂直でない場合がある. 本研究では, 作用応力に対して垂直に溶接された荷重非伝達型リブ十字すみ肉溶接継手 (θ=0°) に加え, θ=15°と30°傾けた場合の疲労試験を行い, 溶接止端からの疲労き裂の発生・進展挙動, および疲労寿命の違いを定量的に評価した. θ=0°の場合は, 溶接止端部に沿って複数点から疲労き裂が発生し, 同一面上で合体を繰り返しながら進展するのに対して, θ=15°と30゜の場合は, 疲労き裂が同一面上ではなくなり, しばらく独立に進展した後, 段差を生じて合体し, 作用応力の垂直方向へ進展する. 疲労寿命は, 斜めの角度が0°, 15°, 30°と大きくなるにしたがって長寿命になる.