A rich variety of role of preconditioning for hybrid-typed IDR(s) and BiCGStab(L) methods

†1 九州大学情報基盤研究開発センター Research Institute for Information Technology, Kyushu University †2 九州大学大学院システム情報科学府 Graduate School of Information Science and Electrical Engineering, Kyushu University 通常,これらの反復法を比較評価するとき,それらの反復法に含まれる二つのパラメータ s, Lを変化させ,収束解が得られるまでの計算時間が最も少ないどうしを比較することが多 い.結果を一目見ればどちらが収束性がよいかはすぐに判明することが多い.ま た,行列によっては収束性が大きく変動することも多いので,調べる行列の個数を増やした り,統計数字やランキングなどを行えば,比較結果に対する信頼性はさらに増すものと思わ れる.当然,調べる行列の個数もある程度の個数は必要になる.さらに,実験結果は単に結 果を並べた 1次資料だけでなく,大局的なあるいは高所からの判断を取入れて纏めた 2次 資料の作成なども効果的であると思われる.以上の現状を鑑みて,本研究では次の二つの観 点から議論をすることにする. ( 1 ) 第 1の観点: 収束解に対する要求精度,すなわち反復法の収束判定条件の大きさの 決め方について考察する.工学上の問題では,相対残差で 10−7 程度と比較的低いこ とがあるが,数値解析上の問題では,相対残差で 10−10, 10−12 と厳しく設定するこ とがあるためである. ( 2 ) 第 2の観点: 得られた収束解の信頼度の指標の一つである,すなわち,「真の相対残 差 (True Relative Residual,以下 TRRと略す)」の大きさについて考察する.ここ で,収束 (近似)解を xk とするとき,TRRとは log10(||b−Axk||2/||b−Ax0||2) を 指す.反復法に対する要求精度と TRRとの関係が問題となる.