Design Assistance by Example and Construction of Evaluation Basis

デザインとは,知性と感性が同時に表出される最も典型 的なタスクの一つである.コンテンツニーズが高まって いる現在,デザイン支援は最も必要とされる情報処理技 術の一つに位置づけられる.デザイン支援に関する代表 的なアプローチとしては,デザイン素材の印象の多変量 解析とメディア提示技術を組みあわせた技術が知られて いるが,イメージ空間設定の煩雑さ,印象空間上での分 解能の問題から,生成系のデザインプロセスを支援する 目的には必ずしも実利用されてこなかった. デザインプロセスのうちプラニングの段階では,形容詞 を用いてコンセプト設計が行われることもあるが,実際 にデザインを行う段階においては,具体的な目標事例を 設定し,そのイメージを再現するといったアプローチが 取られることが多い.この種のデザインプロセスの多く が,基本構造(骨格部分)に対するElaboration (デザイ ンの具体化,詳細化部分) の付与としてとらえることが できる. 本稿では,音楽,絵画,造形の領域における,事例に基 づくデザイン支援に関する研究例を紹介した上で,その 特質,計算機での支援,応用性,評価について論じる.