Clinical Study of Emargency Operative Cases of the Colorectal Carcinoma

1980年1月から1989年4月までに当科で手術を施行した大腸癌症例325例のうち緊急手術を施行した43例について,手術術式と予後を中心に検討した.緊急手術となった原因は,大腸穿孔10例,イレウスによるもの33例であり,出血例はなかった.癌の占居部位別にみると,右側結腸癌では,15例全例が一期的切除吻合が行われ縫合不全もなかった.左側結腸癌は,20例で,一期的に結腸結腸吻合を行った7例中1例に縫合不全を認めた.直腸癌8例中,5例に二期的切除を行い,必要十分な切除郭清が行えた.予後をみると,緊急手術例の累積5年生存率は41.6%であったが,治癒切除例に限ると,82.0%と良好であった.大腸癌の緊急手術では手術,自体の安全性と,癌に対する根治性を考え慎重に術式を選択すべきである.