Four cases of autoimmune hepatitis initiated with fulminant type.

劇症肝炎の経過を呈した自己免疫性肝炎の4例を経験し, 文献的考察を加え報告した. 症例1: 52歳, 女性. かぜ様症状で発症. PT, HPT共に5%未満, T-Bil 35.1 mg/dl, 肝性昏睡IV度. 症例2: 70歳, 女性. 近医にて肝機能障害を指摘される. PT 31.9%, T-Bil 27.3mg/dl, 肝性昏睡II度症例3: 56歳, 女性. 悪心, 嘔吐で発症. PTは30.3%, T-Bil 4.8mg/dl, 肝性昏睡II度症例4: 61歳, 女性. 全身倦怠感, 黄疸で発症. PT 25.4%, T-Bil 22.3mg/dl, 肝性昏睡III度. 症例1は不可逆的な肝不全状態でありステロイド投与, 血漿交換療法を施行しても救命できなかったが, 他の3例はステロイド投与, 特にステロイドパルス療法および血漿交換療法を施行し救命し得た. 肝予備能が残存している発症早期にステロイドホルモン剤の大量投与, 血漿交換療法が有効と考えられた.