A case of asymptomatic glucagonoma of the pancreas: A review of the reported case of pancreatic glucagonoma 2.0cm or less in diameter in Japan

症例は50歳, 男性. 主訴はなし. 平成13年10月, 腹部超音波検査にて膵体部腫瘍が指摘され, 精査加療目的にて入院となる. 入院時検査にて, 腫瘍マーカー, 膵内分泌ホルモン値は正常であった. 腹部CTにて膵体部に直径1.5cm大の低吸収性病変を認め, 造影CTで著明な造影効果を呈した. 腹部血管造影では腫瘍濃染像が認められた. 内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査で, 異常は認められなかった. 非機能性膵内分泌腫瘍の診断にて, 膵分節切除, 尾側膵空腸吻合術を施行した. 病理診断は良性膵内分泌腫瘍で, 免疫組織染色にてchromogranin A, グルカゴンが陽性であり, 膵グルカゴノーマの診断であった. 術後に消化管出血を伴う脾仮性動脈瘤の形成があり, 動脈瘤塞栓術を施行した. 術後3年6カ月経過し, 無再発, 健在である. 膵内分泌腫瘍の中でグルカゴノーマは稀であり, 本邦における腫瘍径2cm以下の膵グルカゴノーマの報告例を集計し, 報告する.