Clinicopathological Findings of Peritoneal Dissemination in Colorectal Cancer

大腸癌腹膜播種症例の組織学的特徴を明らかにする目的で同一症例における原発巣および腹膜播種巣の組織学的分化度について検討を行った.単発大腸癌切除例のうち腹膜播種を認めたが切除しえた根治度B症例16例を対象とした。これらについて,原発巣の粘膜側と漿膜側および腹膜播種巣を組織学的に検討し以下の結果を得た.(1)腹膜播種症例の粘膜側の組織型が高分化腺癌のものは漿膜側では分化度が低下し散在性の進展形式を示す傾向を認めた.粘膜側の組織型が高分化腺癌以外のものでは漿膜側の組織型は,粘膜側と同様であった.(2)腹膜播種巣と漿膜側の組織型はほぼ一致していた。(3)腹膜播種を認めない症例では大半が粘膜側の組織型が高分化腺癌で漿膜側では分化度が低下する傾向があった.また進展形式は腹膜播種症例と異なって散在性ではなかった.