THIN-WALLED RECTANGULAR BEAMS WITH SHEAR DEFORMATION AND CROSS SECTIONAL DISTORTION

軸方 向力,曲 げモーメ ン トお よびね じれモーメ ン トを 受ける薄 肉直線棒部材 の力学 は古 くか ら多 くの研究者 の 関心 を集 めてい る。柱 や は り などのいわゆる単一材 で は,断 面寸法 に比べて長 さが十分 に大 き く,ま た断面 を 構成する板 の厚み もそれほ ど大 き く な い の が普通 であ る.こ のよ うな場合には,曲 げモー メン トやそ りね じれ モーメン トに ともなうせん断変形 の影響は一般に小 さい ため無視 される こ と が 多 く,せ ん断変形 としてはSt. Venantの ね じれ によるもののみが 考慮 されてい る.ま た断面変形 の影響 も小 さい と考 え られ無視 され ることが 多い.こ の ような条件の もとでは理論展 開は比較的容易 であ り,微 小変位 のみな らず有限変位 の問題 につ いても 多 くの研究成果 が発表 されている 1)~ 3). せん断変形の影響 を考慮 した棒部材 の理論 は,曲 げを 受けるは りについて主 として振動問題に関連 して古 くか ら研究 されてい る4).薄 肉断面の棒部材 にね じれ モーメ ン トが作用 した とき,何 らかの形でそ り変位 が拘束 され るとそれに伴 ってSt.Venantの ね じれによるせ ん断応 力以外 のせん断応力 が発生す る.こ のせん断応力 による せん断変形の影響 を考慮 した薄肉棒部材 のね じれ に関す る研究 が,Benscoter5),Heilig6),Grasse7), Roik・ Sedlacek8),Kollbrunner・Hajding),佐 伯10)らによ って 報告 されている.こ こで導入 されたせん断変形 は,は り の曲げ理論で扱 っているせ ん断変形 と同 じ意味 を持つ量 であ り,St・Venantの ね じれ に伴 うせん断変形 に対 し て二次せん断変形 とよばれている5)。 曲げ を受 けるは り におけるせ ん断変形 の影響 を 考慮 したいわゆるTimoshenkoは りの理論 での基本的な仮定の一 つは,変 形前 には りの軸に垂直で あった平面は,変 形後はせん断変形 のた めに垂直ではな くな るが,そ の場合に も平面は保持 されてい るとす る平面保持の仮定であ る.す なわ ちせ ん 断ひずみ は断面内で一様 に分布す ると仮定 されてい る. いわゆる二次せ ん断変形 を考慮 した薄肉断面は りのね じ れ に関す る理論で も,基 本的 には これ と同 じ仮定が採用 され ているが,基 本式の誘導 にあた って必ず しも明確 に 記述 され ていない。 曲げせ ん断 にお ける平面保持の仮定,あ るいはね じれ を受 ける部材 に対す るこれ と等価 な仮定 を用 いる とき, 断面 内で変化 しているせ ん断変形 を代表す る一つ の値 を 選 ばなければな らない.曲 げせ ん断 の問題 では,こ のせ ん断変形 としてせ ん断応力 によるひずみ エネルギー と等 価 になる ような仮想 的 な せ ん 断変形 が用 い ら れ てい る8).ね じれの場合に もHeilig,Grasse,Roik・Sedlacek らは誘 導過程 には差 があるに して も本質 的にはせん断応 力に よるひずみエネルギー と等価 になる ようなせん断 ひ ずみ を用いてい る.こ れに対 し佐 伯はせん断応 力がせん 断 中心の まわ りに作 るモーメ ン トの向きに応 じて,ひ ず みエネルギー を別々に計算 し,そ のおのおのに よって生 ず る反対向 きの二次せん断変形 を区別 して求 め,こ れ を もとに して断面全体 の二 次せん断変形 を決定 している. この ことはせん断変形に よる回転 変位 に対 する 自由度 を 2つ 許 してい ることにな る.し たが ってせん断 変形 に よ る回転変位に対す る自由度 を一 つ しか許 さない理論体 系 の なかで佐伯の ような取 り扱 い をす ることには理論 的な 統一が欠 けてい る疑いが残 る.こ のため同 じエネルギー 原理 を用いてい るに もかかわ らず,佐 伯の結果 と前者 の 結果 には差がみ られ る.ま たBenscoterとKollbrunner・ Hajdinは せん断変形 の値 として,せ ん断応力 を単に平