Determination of phenothiazine drugs by HPLC with electrochemical detection.

製剤中,あるいは血清中に共存する数種のフェノチアジン系薬物の同時定量を目的として,電気化学的検出HPLCの感度の向上と試料の前処理の簡易化を検討した.検出器の作用電極であるグラッシーカーボン電極にはあらかじめリン酸塩緩衝液中で陽極酸化前処理を施し,検出感度の向上を図った。分離カラムには陽イオン交換樹脂カラムを,移動相として0.2mol dm-3ホウ酸塩緩衝液-0.5mol dm-3硝酸ナトリウム-メタノール(65:35)を用いた.その結果,本法による検出限界は約30pg,定量範囲は100pg~10ngであった.フェノチアジン系薬物を含む処方剤を本法を用いて分析したところ,98%以上の回収率を得た.血清中薬物の定量時にはエキストレルートカラムを併用することにより,簡易に抽出・定量が可能であった.血清100μlにクロルプロマジン0.5ngを含む試料の場合,回収率90%以上,相対標準偏差は1.9%以下であった.