STRUCTURAL ANALYSIS ON PC BRIDGE GIRDERS DAMAGED BY SALT ATTACK CONSIDERATION WITH CORROSION OF PC STEEL BARS

汎用有限要素解析コードを用いて,塩害劣化の著しい実道路橋PC上部工の耐荷性状を評価することを試みた.解析では,本橋に対する既往の調査研究結果に基づき,PC鋼材の平均質量減少率を仮定し,鋼材腐食による機械的性質の低下を考慮した.対象構造物の経年的な構造性能の低下を把握するのみならず,ケーススタディーとして上部工において劣化の顕在化する桁の位置が構造性能に及ぼす影響についても議論した.その結果,対象構造物は供用開始後約32年で約24%程度の終局耐力の低下を示した.さらに,PC鋼材の腐食が過度になると,終局破壊モードがコンクリートの圧壊から鋼材破断に変化することによって,変形性能が著しく低下する可能性を示した.一方で,劣化した桁が上部工の片側に偏重すると構造性能上,不利になることを明らかにした.