Pathological studies on leucocytozoonosis in chickens.

1959年7月, 多数羽飼育していた鳥取県内の養鶏場で, 高い斃死率を示したロイコチトゾーン病の34例を, 病理組織学的に検索した. 病鶏はニューハンプシャー種, 20~27日令で, 緑色下痢, 元気沈衰, 転倒および痙攣を主症状とし, 短時日のうちに斃死した. 肉眼的には, 皮下組織, 筋肉および諸臓器に点状ないし不整形の出血, 諸臓器の粟粒大の灰白色斑点の散在, および脾の腫脹が特徴的変化として認められた. 組織学的には, 大小区々の出血巣, 時期を異にする Megaloschizont に対する組織球, 異物巨細胞, リンパ球,線維芽球などの細胞反応, 肝および脾の細網内皮系の活性化, ならびにヘモジデリン沈着, 肝の巣状壊死, 肝, 心, 腎, および筋肉の円形細胞の集積, 放出された Merozoite の血管栓塞, 脾の莢動脈の硝子化などが認められた. 多数の Megaloschizont が全身に認められ, 多くは被膜または血管内皮に被包された微細な顆粒状の Merozoite を満たしていたが, 脳実質には被膜に被包されない Megaloschizont が認められた. またアヒルや七面鳥には認められている Hepatic schizont, および細網内皮系細胞に, いわゆる Early schizont を認めた. これは生活史の上では, 時期を同じくし, Megaloschizont よりも初期の段階のものと考えられた.