EXPERIENCES OF RIPSTEIN'S PROCEDURE FOR COMPLETE RECTAL PROLAPSE-WITH SPECIAL REFERENCE TO ANORECTAL MANOMETRIC STUDY

完全 直 腸脱 を有 す る高齢 者 女性 の4例 にTeflon meshを 用 いたRipstein手 術(新 法) を行 い,術 前 後 の直腸 肛 門内 圧 を測定 した. Ripstein手 術 の特 徴 は,骨 盤底 の補 強 が十 分 に行 え,直 腸 が後上 方 に確 実 に 吊 り上 げ られ て固 定 され十 分 な後方 へ の弯 曲が え られ, anorectal angleを よ り生理 的 に近 い状態 に し うるな どであ り, Teflon meshを 用 いた 新法 は,広 筋 膜利 用 の原 法 に くらべ て生体 固 定膜 採取 の 必要 が な く,人 工 膜 な ので十 分 な強 度 と必要 な 大 き さ,形 が え られ る とい う利点 が あ る.私 ど もがRisptein新 法 の仙 骨 前面 固定 に加 え るに弛 緩 せ る肛 門挙筋 を直 腸 の後 方 で3~4針 縫 縮 しPuborectal slingの 補 強 をは か った こ とは直 腸 脱再 発 防止 に 役 立つ と ともに,術 後 の直 腸肛 門 内圧反 射 の 出現,増 強や 排便 機能 に も良い影 響 を与 え た もの と考 え られ る. 自験例4例 は術後3カ 月か ら3年10ヵ 月を経 過 す るが,い ず れ も再 発 の徴候 や排 便障 害 もな く順 調 に経過 して お り,術 前 に は ほ とん ど認め られ な か った直腸 肛 門 内圧反 射波 も,術 後 症 状 の改善,消 失 と ともに規 則正 しい,大 きい波 形 と肛 門律 動波 を認 め る よ う に な り,本 手術 法 の有 効性 は直 腸肛 門 内圧 曲線 の上 か らも確認 された. 本 術式 につ いて若 干 の文 献的 考察 を 加 えて報 告 した.