A Case of Traumatic Tricuspid Regurgitation with Cyanosis Caused by Patent Formen Ovale

症例は47歳,男性.交通外傷にて肋骨多発骨折,血気胸で入院した.入院時より三尖弁閉鎖不全症および低酸素血症を認めた.肋骨プレート固定術・胸腔内血腫除去術を施行したが,低酸素血症は改善せず,在宅酸素療法導入となり退院した.受傷より3年10ヵ月後,肺換気血流シンチグラム検査を施行したところ,右左短絡の存在が指摘され精査目的に入院した.経食道心エコーで卵円孔を通る左右短絡が確認された.手術は卵円孔の直接閉鎖と人工弁置換術を施行した.卵円孔開存により低酸素血症をきたした外傷性三尖弁閉鎖不全症はきわめてまれであるので若干の文献的考察を加え報告する.