Vibration Control Technology and Motor Control Technology for Household Washers

家庭用洗濯機は,洗い・すすぎだけの一槽式から始まり, 脱水槽を備えた二槽式,洗濯槽が脱水槽を兼ねる全自動式 と進化してきた.そして現在では乾燥まで自動で行う洗濯 乾燥機が主流になりつつある.最近の洗濯機の国内需要は, 年間 450万台程度であり,95%以上が全自動式で,そのう ちの約 30%は洗濯乾燥機である.国内で販売されている洗 濯機は,洗浄方式により渦巻き式(図 1)とドラム式(図 2)に分けられる.全自動式は,洗濯槽は脱水槽を兼ね,洗 濯水を溜める外槽の内側に回転可能に洗濯槽を設け,これ を筐体に防振装置(サスペンション)で支持し,洗濯槽の 振動が筐体や床に伝わり難い構造となっている. 渦巻き式は,日本で発達した方式で,最も普及している. 縦に置いた洗濯槽に水を溜め,洗濯槽底面に放射状の突起 を有する攪拌翼を設け,これを回転させて洗う(もみ洗い) 方式である(一般にタテ型と呼んでいる).モータと攪拌翼 の間にはクラッチが設けられており,洗いやすすぎ時は洗 濯槽を固定して攪拌翼を回転し,脱水時は洗濯槽と攪拌翼 を一体に回転するようになっている.洗浄力は高いが,衣 類が絡みやすい,使用水量が多いという弱点がある.絡み を防ぐため,攪拌翼の回転方向を切り替えて正逆回転させ ている. ドラム式はヨーロッパで発達した方式で,ドラム(洗濯 槽)を横に置き,これに少量の水を溜め,水平軸回りに回 転させてドラム内部に設けた突板(リフタ)で衣類を持ち 上げて落下させて洗う(たたき洗い)方式である.使用水 量が少なく布絡みも少ないが,洗浄力が比較的低い,脱水 時に衣類の片寄りが発生しやすく振動が起きやすいという 弱点がある.そこで,ドラム径を大きくしたりドラム容積 を大きくすることで,たたき洗いの効果を最大限に引き出