The Prognostic Value of Argyrophil Nucleolar Organizer Regions (AgNORs) and Fibronectin Antibody in Stage I Lung Cancer

要 旨:肺 癌1期 症 例 の 予 後 とAgNORs, fibronectin (FN)の 関 連 を検 討 した.対 象 は術 後5年 以 上 の 生 存 を確 認 で き た36例(A群;腺 癌18例,扁 平 上 皮 癌16例,大 細 胞 癌2例)と5年 以 内 の 癌 死 を確 認 で き た36例(B群;組 織 型 は 生 存 群 と同 数)の 計72例.AgNORs3.0未 満 を2点,3.0~5.0を1点,5.0以 上 を0点 と し,FN染 色 程 度(++)(+)(-)を 各 々 2,1,0点 と し た.(1)生 存 期 間 はAgNORsとFNの 合 計 点 が0と1,0と2の 間 に 有 意 差 が あ っ た(P=0.025,0.0076).(2)A,B群 で 比 較 す る と(a)AgNORsとFNと も に 有 意 差 が あ り(p=0.029,0.022),(b)合 計 点 で も有 意 差 を認 め た(p=0.0057).(3)組 織 型 別 に み る と腺 癌 の 生 存 期 間 で は 合 計 点0と2に,群 別 で は合 計 点 で有 意 差 を認 め た(p= 0.0060,0.0082).(4)症 例 ご と に検 討 す る と0点 の8例 は 全 てB群 で,3点 の6例 中5 例 はA群 で あ っ た.以 上 か らAgNORsとFNを 検 討 す る こ と に よ り,よ り正 確 に予 後 を予 測 す る こ とが 可 能 で あ る と考 え られ た. 〔肺癌 34(6): 861~866, 1994〕