Principles and Applications of IZANAGI Oceanfloor Imaging Sonar System

地球 の面積2/3を 占め る海底 につ い ては,ま だ まだ 未調 査 の海域 が た くさん あ り,こ の意味 で,地 球 は 月 や 火星 よ り “未知 の天体 ”で あ る と言 って よい。 地球 をよ りよ く知 るには,海 底 の リモー トセ ンシ ングが不 可 欠で あ るが,光 は水 中 で極 度 に減 衰す るため,音 波 を用 い る の が 有 効 で あ る。IZANAGI oceanfloor imaging sonar systemは,水 深10,000mま での海 底音 響 画像 と海底 地形 図 とを同時 に作成 す る最新 のサ イ ド スキ ャン ソナ ー 型海底 リモー ト ・セ ンシ ング機器 で あ る(山 本他,1989)。 この音 響画像 と水深 図 とを組 合 わ せ るこ とに よ り,海 底 の詳 細 な地形 ・地 質情 報 を得 る こ とが 出来 る。本 システ ムの基 本 原理 は,ま ず,海 面 下 の 曳航 体(Towfish)か ら,両 舷方 向 に扇 型に制 御 さ れ た音 波(11/12kHz)を 発信 す る。音 波 が海底 や海 底 面上 の人工 物 に達す る と,そ こで反射 波 と散 乱波 が 発 生す る。発 生 した散 乱波 の うち,再 度 曳航 体 に戻 っ て くる音波(後 方散 乱波)を 受 信す るこ とに よって, 海底 面 の形状 や底 質 を航 空写真 に似 た面 的 な音響 画像 として捉 え るシス テムで あ る。 海底 か らの後 方散 乱 強 度 の強 弱か ら,海 底面 の画 像 を作成 す る点 にお いて は 通常 の サ イ ドスキ ャ ンソナー と同 じで あ るが,本 シス テ ムは その機 能 に加 えて測 深能 力 を有す る点 が大 きな 特徴 で あ る。IZANAGIの 性 能 お よび機 能 は次 の通 り で あ る。 1)海 底 の音響 画像 と地 形 図の両 方 のデー タ取得 が 可 能 であ る。 2)使 用 す る音 波 の 周 波 数 は右 舷12kHz,左 舷11 kHzで,浅 海300mか ら超深 海10,000mま での 探 査 が可能 で あ る。 3)探 査幅 は可 変 であ り,使用 目的に 応 じて1kmか ら 40kmま で の範 囲で5段 階 の選 択が 可能 で あ る。 4)最 大10knots(通 常 は7-8knots)ま での船 速 で海 面 下100m前 後 で曳航 す るこ とが 出 来 る。送 受 波 器 を海 面 下約100mに 置 くこ とに よ り,表 層 海 水 の温度,塩 分 濃度等 に よ る影響 を軽減 し, さらに,船 の動 揺 と雑音 を防 ぐこ とが 出来 る。 5)可 搬 式 であ るこ とか ら,あ る基準 を満 足す る船 で あれば調 査船 と して使 用す るこ とが 出来 る。 6)デ ー タ取 得 時 の 故 障 に対 す る対 策 が 施 して あ る。 IZANAGIを 曳航速 度8knots,か つ 探査 幅 を20kmで 使 用 した場合,1日 で約7千km2の 海 域 を カバ ーす る音 響 画像 を作成 す るこ とが で きる。