Specificity of the DNA Probe for Detection of Phenol-Degrading Bacteria in Wastewater Treatment Process

生物学的廃水処理にお ける,芳 香族化 合物や合成高分 子化合物などのいわゆる難分解性物質の除去 は,特 定の 分解菌の代 謝活動に依存 している。従 って,難 分解 性物 質処理の高度化,効 率化 を図るため には,各 種分解菌の 生態挙 動 を詳細 に把握 ・検討 し,そ の動 態を左右す る要 因 を解 明 してお く必要が ある。また,近 年,強 力な分解 活性 を示 す細菌や,遺 伝 子組 換え によって分解能 を賦 与 ・強化 した育種菌 を,廃 水処理 に適用 し,処 理性 能を 向上 させ る試みが検 討 されつつあるが(1),こ の場 合, その生 態学的安定性 を評価するため,目 的菌 の消長 を追 跡する ことが重要な課題 となる。 分:解菌の動態解 明を目的 とした研究においては,目 的 菌を正確 にしかも高感度 に検出で きる手法が必須である。 従来,分 解菌の検出 ・計数 は,単 一炭素源培地な どの選 択培 地を使用 した平板培養法やMPN法 によって行 われ て きた。 しか し,こ の ような表現型を利用 した方法 には, 検 出の精度や感度が培地組成や培 養条件 に多大な影響 を 受 ける,ま た共代謝現象 に代表 されるような増殖 を伴わ ない分解現象 に関与する細菌 をとらえることがで きない, さらに選択培地 に出現 したコロニーから目的菌を選別す ることが困難であるなどの問題があ り,必 ず しも有効 な 分解菌検出法 とはいえない。 一方 ,遺 伝 子工学の分野で は,特 定細菌の新 しい検出 法 としてDNAプ ローブ法が開発 され,種 々の 目的 に適 用 されている。本法 は,特 異 的DNA塩 基 配列,即 ち遣 伝 子型 によって目的菌を判別する方法であ り,選 択培地 に よる培養を必要 としないことか ら,表 現型 を利用す る 従来の方法 とは全 く異なる技術 として,分 解菌検出 に有 効 に活用 で きるもの と考 えられる。 しか しなが ら,多 様 な微生物の混在す る廃水処理系 における分解菌の検出に 本法 を適用 した例はな く,現 状 ではその実用性 について 評価がな されていない。そのため,今 後 は,分 解菌検出 に有用 な各種DNAプ ローブを検索 し,そ の特異性 や感 度 に関する知見 を集積す ることによって,本 法 による分 解菌検 出の可能性を検討するこ とが望 まれる。 そこで本研 究では,フ ェノール分解菌 の染色体 より分 離 されたDNA断 片 を用いて作成 したDNAプ ローブの特 異性 を調べ,廃 水処理系における分解菌検出用 プローブ としての有用性 について考察 した。

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