An estimation of cell survival rate using Monte Carlo simulation in RI targeted therapy.
暂无分享,去创建一个
細胞生存率を予測する数理モデルの一つにMK(microdosimetric kinetic)モデルがある。MK モデルはドメインと呼ばれる微小領域へのエネルギー付与として、ドメインの質量で割っ た比エネルギー(J/kg)から生存率を見積もるモデルで、粒子線治療等に応用されている。 MKモデルでは、Type I lesionと Type II lesionの 2種類の損傷を考え、Type I lesionが細胞核 内に一つでもあると細胞は死に至ると仮定している。一方 Type IIは、修復、Type I lesionへ の移行が考えられ、これらの修復、移行係数等がモデルのパラメータとして HSG細胞つい ては測定されている。また微小領域へのエネルギー付与についてもガンマ線、陽子線、重粒 子線で測定され、モンテカルロシミュレーションとの結果とも比較されており、シミュレー ションは実験をよく再現している。 放射性同位元素(RI)を用いてがん細胞を殺傷する RI内用放射線療法(以下、内用療法) は、次世代がん放射線治療の一つとして期待されている。現在、臨床的には β線を用いた治 療が主に行われているが、高 LET放射線の α線やオージェ電子は β線と比べて高い生物学 的効果を持ち、飛程が短く周辺正常細胞への副作用が少ないことから理想的な線種として 今後の臨床応用が期待されている。またヒトがん細胞で過剰発現している HER2 分子と結 合する抗体に RI 標識をし、核移行シグナルを付加することで RI を核に運び、より効率よ くがん細胞を殺傷することができる。本研究では、オージェ核種である In-111 とアルファ 核種である At-211を用いて、RIが細胞核に移行した場合と細胞膜にとどまった場合とでど のくらい生存率が変化するかをモンテカルロシミュレーション Geant4-DNA による比エネ ルギー 計算とMKモデルを用いて見積もった。その結果、In-111より At-211の方が、例え ば 4Gyの線量では、50%程度生存率を下げることができた。また In-111、4Gyの場合、核に 移行した場合、膜にとどまるより 30%程度生存率を下げることができた。これらの結果は どのくらい投与すればよいか等、治療計画を立てる上での有用な情報となる。しかしこの計 算においては、崩壊する時間は考慮していない。MKモデルでは lesion数の時間発展が計算 できるのが特徴である。よって、シミュレーションにより Type I lesion数の時間依存性を再 計算し、生存率を算出したので、紹介する。また Geant4-DNAは二重鎖切断数や一重鎖切断 数、およびラジカルの生成、輸送もシミュレーションできるためこれらの結果と MK モデ ルにおける Type I、Type II lesion数との比較等も行う。なお本研究は放射線医学総合研究所 との共同研究である。 第63回応用物理学会春季学術講演会 講演予稿集 (2016 東京工業大学 大岡山キャンパス) 20p-W9-3