The issues of the revision of ISO 6385: Ergonomic principles in the design of work systems

1.は じめに ISO 6385はISO/TC159(人 間工学)の規格 の最 も基本の規格 として1981年 に制定 さ れた規格1)で あ り、作業設計の全般的な原 則 を規定 している。 ISOで は各規格 について5年 ごとに見直 すルールがあるが、ISO6385は1981年 に 制定 されてか ら、い くつかの問題点が指摘 されていたにもかかわ らず 、2004年 までの 間、一度 も改訂が行われ なかった。その背 景には、数年 にわた り原案作成の作業部会 であるISO/TC159/SC1/WG1が 機能 してい なかった ことな どがあるが、2000年 よ り本 格的な見直 しが始ま り、2004年 に改訂版2) が発行 された。 しか し、改訂が終了 した直後か ら再改定 に向けた審議 が開始 されてお り、2005年 に は新 たな改定案が提示 され、改定作業を行 うことが決定 している。新 しい改定案では、 欧州 の規格3-5)と の整合性 をとることに重 きがおかれ6)、 人間工学の基本規格である ISO6385が 今後、 どの ような方向に整理 さ れてい くのかは予断を許 さない状況にある。 このよ うな現状に鑑み、本報告では、人 間工学の基本原理であるISO6385の2004 年改訂版の内容を整理 し、再改定で どの よ うに変わ ろ うとしてい るのか とい う点 を明 らかにする と共に、JISと して発行予定(JIS Z8501)の 本規格 の活用 について考察す る。 2.ISO 6385:2004の 概要 規格 を使用する対象者 は、作業 システム の管理者、人間工学専門家、プ ロジェク ト 管理者、設計者な どであ り、作業 システムを 新たに設計 した り、既存の作業を変更 した りする時にこの規格 を用いることによって、 人間工学的な技術や設計、質の評価、プロ ジェク トの管理な どに関す る基本的な知識 を得 ることができるとしている。 作業 システムの設計では、総論 において 作業システムの設計過程 を示 し、この課程 に沿って具体的な設計指針 を述べている。 具体的には、作業組織の設計、作業課題の 設計、職務の設計、作業環境 の設計、作業 装置や機器 、 ソフ トウェアの設計、作業空 間 と作業場の設計について人間工学の指針 を示 している。 作業システ ムの評価 では、健康 と福祉 、 安全、作業成績 の3つ のカテ ゴリのすべて について、それぞれ適 した方法で評価する ことが示 されてい る。 用語の定義では、「人間工学」の定義 を加 えたが、work loadの 定義は入 らなかった。 また、stress-strainの新たなモデル提示はな く、 旧版のまま となった。 3.改 訂版の評価 ISO 6385:2004に ついての評価 を検索 し た ところ、2004年6月 にThe Elsmar Cove Forumに 「誰 が使 うのだろ うか?」 とい う 意見が掲載 されていた。また、2005年2月 にIndustrial Engineerに 掲載 されている論評 7)では 、用語の定義に関 しては、jobとwork taskが きちん と定義 されているな ど高 く評