Analytical Chemistry for Environmental and Human Health. Determination of the geographic origin of brown-rice with trace-element composition.

玄米中の無機元素組成から産地を判別する方法を検討した。1996年産の産地あるいは栽培法の異なるコシヒカリ{もみ(籾),一部玄米}34点を27産地から収集した。籾摺り後,粒のまま約1g(約50粒)を,硝酸と過塩素酸を用いる開放系の湿式分解で分解して,1%塩酸で試料溶液を調製した。P,K,Mg,Ca,Mn,Zn,Fe,Cuは,ICP-AESで測定し,Rb,Mo,Ba,Sr,Ni,Cd,Cs,Pb,Al,Cr,CoはICP-MSで測定した。13元素(P,K,Mg,Ca,Mn,Zn,Fe,Cu,Rb,Mo,Ba,Sr,Ni)の測定値を,クラスター分析と主成分分析で解析した。Ward法によるクラスター分析と主成分分析の結果から,9元素(Mn,Zn,Fe,Cu,Rb,Mo,Ba,Sr,Ni)による産地判別で,東北産·関東産と北陸産が良く分離し,東北産と関東産はそれぞれまとまる傾向を示し,無機元素組成による産地判別の可能性を示唆した。