Scanning Electron Microscopic Study of the Effect of a New Azole Antimycotic Bifonazole on the Growth of Trichophyton mentagrophytes

皮膚糸状菌Trichophyton mentagrophytesの発育に及ぼすbifonazoleの影響について,スライド培養法を用いて,走査電子顕微鏡学的手法により追究した.薬剤無添加対照培養においては,T.mentagrophytesの分生子から発芽した菌糸は極めて速やかに発育する.若い菌糸は表層が平滑で,均一な幅の真っ直ぐな形態を呈した.これに対して,bifonazoleを添加して培養した場合には,薬剤濃度と作用時間に応じて,次の3つに大別される特徴的形態変化を示した.i)菌糸発育の阻害(菌糸の波状,弯曲,屈曲,ねじれ),ii)菌糸発育形態の異常(不整形化,表層の皺襞形成),iii)菌糸の破壊(細胞壁の剥離,細胞外へ放出された物質の融合によるシート化)などである.また2ng/mlといった最小発育阻止濃度(0.63μg/ml)をはるかに下回る濃度でも,bifonazoleの菌糸に及ぼす有意な形態学的影響を検証した.